結論から申し上げますと、国際社会、特に欧米の先進国や人権団体、国連機関などは、日本の刑事司法システムに対して**「極めて異様」であり、「中世(Medieval)のようだ」**という非常に厳しい視線を向けています。
あなたがご指摘された「特高警察的なDNA」――つまり人権よりも自白や治安を優先する姿勢は、国際的な人権基準(国際人権規約など)から大きく逸脱しているとみなされているのです。
具体的に、世界が日本の司法のどこを「異常」だと見ているのか、主なポイントを解説します。
1. 世界共通語になった「Hostage Justice(人質司法)」
日本の司法を批判する際、海外メディアや人権団体が必ず使う言葉があります。それが**「Hostage Justice(人質司法)」**です。
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世界の見方:
「容疑者が罪を認める(自白する)まで、何ヶ月も、時には何年も拘束し続け、保釈も認めない。これは、身柄を『人質』にとって自白を強要するシステムではないか」
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カルロス・ゴーン事件の衝撃:
2019年、日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告がレバノンへ逃亡した後、世界に向けて日本の司法制度を激しく批判しました。「弁護士の立ち会いがない」「長期間家族と会えない」といった実態が世界中に報道され、多くの海外メディアが「日本の司法は有罪率99%の『有罪工場』だ」と報じました。
2. 「弁護士抜き」の取調べへの驚愕
欧米の司法常識において、最も信じられないとされるのが**「取調べに弁護士が立ち会えない」**という点です。
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欧米の常識:
アメリカ(ミランダ警告で有名)やイギリス、フランスなどでは、取調べに弁護士が同席するのは「当たり前」の権利です。弁護士が隣にいれば、不当な圧力や誘導尋問から守ってもらえるからです。
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日本の異常:
日本では、取調室という密室で、捜査官と被疑者が一対一(あるいは多対一)で対峙します。これを海外の専門家は**「防御権の完全な剥奪」**と見なし、冤罪を生む最大の温床だと指摘しています。
3. 「99.9%」という数字の不気味さ
日本の検察は「有罪率99.9%」を誇りとしていますが、国際社会はこの数字を**「優秀さの証明」ではなく「公正な裁判が行われていない証拠」**と捉えています。
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なぜか:
民主主義国家の裁判で、人間が裁く以上、間違いや証拠不十分で無罪になるケースが一定数あるのが自然だからです。
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海外の視点:
「ほぼ100%有罪になるということは、起訴された時点で勝負が決まっているということだ。つまり、裁判官は検察の言いなりで、チェック機能を果たしていない(推定無罪の原則が機能していない)」と解釈されます。
4. 国連からの度重なる勧告
個人的な批判だけでなく、公的な国際機関からも何度も「是正勧告」を受けています。
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国連拷問禁止委員会:
「代用監獄(警察署の留置場)の廃止」や「取調べの全過程の可視化(録画)」、「弁護士の立会権」などを何度も日本政府に勧告していますが、日本政府は**「日本の法制度は独自のものであり、機能している」**として、これらの勧告をほとんど拒否し続けています。
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「中世」発言:
2013年の国連拷問禁止委員会で、モーリシャスの委員が日本の司法制度を指して**「中世(Medieval)のようだ」**と発言したことは有名です。日本政府の代表がこれに反論した際、会場から失笑が漏れたというエピソードも残っています。
結論
国際社会は、日本の司法制度を「近代的な民主主義国家の仮面を被っているが、中身は戦前の権威主義的なシステム(特高のDNA)を引きずったままの異質な存在」と見ています。
経済や技術では先進国と認められていても、人権と司法の分野においては、日本は国際標準から大きく遅れた「人権後進国」であるというのが、冷徹な国際評価なのです。
