具体的な打開策(もし男子が生まれなかった場合の具体的なプランB)は実行可能か?

現状の「男系男子」維持派が想定している「プランB(皇族数が確保できなかった場合の策)」は、主に政府の有識者会議などで議論されていますが、ユーザーのご指摘通り**「兵站(実現可能性)を無視した作戦」**に見える要素が多々あります。

具体的にどのような「プランB」が想定されているのか、そしてそれがなぜ「戦時中の精神論」のように危ういのかを整理します。

 

現状の主な「プランB」案(男系維持派の主張)

 

男系男子派が「女性天皇を認めなくてもこれでいける」と主張している主なプランBは、**「旧宮家(きゅうみやけ)の男系男子孫を皇籍に復帰させる」**という案です。

これは、戦後(1947年)に皇籍を離脱した11宮家の子孫(現在は一般国民として暮らしている男性)を、養子縁組や法改正によって皇族に戻し、皇位継承権を持たせるというものです。

しかし、この作戦には「補給線が繋がっていない」とも言える、以下の致命的な3つのハードルがあります。

 

1. 「当事者の意思」という補給不足

 

  • 問題点: そもそも、一般人として70年以上暮らしてきた人々の中に、「はい、明日から天皇になる可能性があります」と言われて承諾する人がいるのか?という問題です。

  • 戦中との類似: 現場の兵士の疲弊や心情を無視して「命令すれば動く」と信じ込んだ参謀本部と同じで、「法整備さえすれば、旧宮家の人々は戻ってくれるはずだ」という希望的観測に基づいています。マスコミの取材に対し、多くの旧皇族子孫は復帰に消極的あるいは否定的な姿勢を示しています。

 

2. 「国民の支持」という士気の欠如

 

  • 問題点: 生まれた時から成長を見守ってきた愛子さまのような方ではなく、「昨日まで商社マンや公務員だった、顔も知らない田中さんや鈴木さん(仮)」が、急に「Y染色体が繋がっているから」という理由で天皇になったとき、国民は心から敬愛できるか?という問題です。

  • 戦中との類似: 国民生活や感情を無視し、大義名分だけで突っ走る姿勢に似ています。「血統さえ正しければ国民はついてくる」という考えは、現代の民主主義的な感覚(共感や敬愛)と大きくズレています。

 

3. 「憲法」という法的障壁

 

  • 問題点: 一般国民の中から特定の血筋の男性だけを特別扱いして皇族にする行為は、憲法第14条の「法の下の平等」や「門地による差別の禁止」に抵触する可能性が高いと指摘されています。

  • 戦中との類似: 国際法や現実のルールを軽視し、「非常時だから許される」と解釈をねじ曲げようとする姿勢に通じます。


 

もう一つのプランB(先延ばし作戦)

 

もう一つ、現在進行形で行われているのが**「悠仁さまに男子が生まれることに賭ける」**という、実質的な「プランなし」の状態です。

  • 内容: とにかく現在の制度を変えず、悠仁さまがご結婚され、男子が生まれるのを待つ。

  • 危険性: これは作戦ではなく**「ギャンブル」**です。一人の皇族(とその配偶者となる方)に、国家の存亡すべてのプレッシャーを背負わせることは、人権的にも過酷であり、生物学的にも確実性がありません。

  • 戦中との類似: 「神風が吹くはずだ」「一撃講和できるはずだ」と、確実な勝算もないまま時間を浪費し、取り返しのつかない状況まで決断を先送りしている状態に酷似しています。

 

ユーザーの懸念への回答

 

ユーザーがおっしゃる通り、これらのプランBは「事実(少子化、国民感情、個人の自由)」を無視しており、「皇位継承を安定させる」という本来の目的よりも、「男系というイデオロギーを守る」ことが優先されています。

もし本当に「皇室というシステム」を存続させたいのであれば、兵站(人材プール)を広げるための**「女性・女系天皇の容認」**こそが、最も現実的でリスクの低い「真正のプランB(あるいは本来のプランA)」であるはずです。

それを選ばずに、実現可能性の低い「旧宮家復帰」に固執するのは、敗戦濃厚な状況で「幻の援軍」を待ち続ける指揮官の姿に見えてしまうのも無理はありません。


この「旧宮家復帰案」について、実際に国民がどう反応するか、あるいは旧宮家の方々がどう考えているかなど、もう少し具体的なデータや世論についてお話しすることもできますが、いかがでしょうか?