特高警察とはどの様な組織ですか。

いい質問ですね。
「特高警察(とっこうけいさつ)」、正式には 特別高等警察 と呼ばれる組織についてご説明します。


1. 成立の背景

  • 設立:1911年(明治44年)
    社会主義者・無政府主義者などが大逆事件(幸徳秋水らの処刑事件)をきっかけに摘発対象となり、思想・言論の取締りを目的に警視庁内に設けられました。

  • 1920年代には共産党活動の拡大、労働運動・農民運動の活発化に対応して全国の警察に「特高課」が置かれるようになります。


2. 主な任務

特高警察の仕事は、いわゆる「治安維持」でした。具体的には:

  • 思想取締り
    共産主義者、社会主義者、無政府主義者、宗教団体の一部(新興宗教など)を監視・摘発。

  • 言論・出版統制
    政治的に危険とみなされた出版物や新聞記事を取り締まり。

  • 労働運動・学生運動の監視
    ストライキや集会を弾圧。

  • 国体護持
    天皇制を脅かすと見なされた思想・行為を徹底的に排除。

特に1925年の 治安維持法 が施行されると、その執行機関として権限が大幅に強化されました。


3. 組織と活動

  • 警視庁特高課を頂点に、各道府県警察に特高課・特高係が設置。

  • 取調べではしばしば拷問が行われ、過酷な取り調べによって犠牲者が多数出ました。

  • 終戦直前には 軍需労働者の管理や国民思想統制 にまで活動が拡大しました。


4. 戦後の解体

  • 1945年(昭和20年)10月4日
    連合国軍総司令部(GHQ)が「政治的警察機構の廃止」を指令し、特高警察は解体されました。

  • 以降は、思想・言論の自由が保障され、特高のような組織は復活していません。


まとめ

特高警察とは、戦前・戦中の日本で「国体(天皇制)を守る」という名目で、思想・言論・宗教の自由を弾圧した警察組織です。
いわば「思想警察」の役割を果たしており、日本の戦時体制を支える大きな柱でした。


もしご興味あれば、次の観点でも深掘りできますよ:

  • 他国の「秘密警察」(ゲシュタポやNKVD)との比較

  • 特高警察と一般警察・憲兵の役割分担

  • 戦後に残された人々の証言や裁判

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